東日本大震災から1年を迎えた2012年3月11日、東外大の有志学生で結成した東北復興写真展実行委員会は、ユネスコパリ本部にて「東北復興写真展」を開催しました。2011年10月から半年間を費やし準備を進めてきましたが、当日は1300名以上の来場者に鑑賞していただき大成功を収めました。東北復興写真展の開催に合わせましては、外語会の皆様方には多くのご寄附やご助言を頂戴いたしました。改めまして、深く御礼申し上げます。
東日本大震災後、東外大内にも被災地を支援するボランティアサークル・「外大東北復興支援隊」が立ち上がりました。このサークルを通じて宮城県石巻市でのボランティアを現在まで続けてきましたが、被災地では「今回の震災を忘れないでほしい」、「被災地から発信する情報を受け取ってほしい」という声を多く聞くようになりました。そういった被災地の声に応える形で企画したのが今回の東北復興写真展でした。
具体的な方法としては、被災地で活動を続ける10団体にご協力をいただき、それぞれの団体の取り組みを捉えた写真をご提供いただきました。この写真を展示することで、1年という時間が過ぎ去った今、被災地の現状はどうなっているのか、復興はどれくらい進んでいるのかを観賞者に伝えやすくしました。また、震災直後からどれほど生活状況が改善しているのかを一段とわかりやすく伝えるために、今回の協賛企業であった河北新報社から震災直後の様子を捉えた報道写真をお借りしました。結果的に、約100枚の写真パネルを展示することになりました。
写真展開催に合わせ、日本からは3名が渡仏をしました。また、現在パリで留学生活を送っている
5名も仲間に加え、写真展当日は8名によって鑑賞者を迎えました。14時の開場とともに鑑賞者の人数は増え
てゆき、18時30分の閉場までの間に約1400名の方々に写真をご覧いただくことが出来ました。これまでの震
災関連の写真展では震災直後の被害状況を伝えるものが多かったように思いますが、今回の私たちの写真展では上述の通り、被災地の「今」を伝える写真も展示しました。その結果、鑑賞者からは「東北の現状を知る機会がこれまで少なかったため、今回の写真展は非常に興味深かったし見に来てよかった」、「被災地で頑張っている人を見たので、これからも応援し続けていきたいと強く思った」など、非常に嬉しい感想をいただくことが出来ました。
また、写真展を通じて日本人と外国人の心をつなげるため、来場者から被災地に向けてメッセージを頂戴しました。フランス在住の日本人はさることながら、フランス人からも暖かい応援メッセージが寄せられました。写真展終了までに集めた約100件のメッセージはtwitterを利用して随時発信し、被災地に住む方々へ届けました。
今回の東北復興写真展を通じて、私たちは今後も被災地からの情報を受ける受信者でもあり、世界中の人々にその現状を伝える発信者でもあり続ける必要があることを痛切に感じました。被災地の復興には十年以上かかると言われていますが、人々の生活は時間の経過とともに変化しています。仮設住宅に入居し生活水準の改善は進んでいるものの、雇用問題など今後も向き合っていかなければならない問題は山積みだといいます。こういった逐一変化する状況を私たちが世間に向かって代弁することは、東京にいながらもボランティアとして被災地と向き合える方法の一つだと感じています。東北復興写真展は上述のように成功をもって終了いたしましたが、今後は写真展で展示をした写真を東外大の26専攻語で紹介している多言語ウェブサイト、“Tohoku 10 × 26 windows”の更新を続けることにしています。今回ご協力をいただいた被災地の10団体とは、今後とも末永いお付き合いをさせていただくことにしています。
今回の写真展開催にあたり、東京外語会の皆様方にはご寄附を頂戴するなど大変お世話になりました。また、外語会パリ支部の方々には写真展前に激励会を開催していただきました。異国の地にて活躍されているOBOGの皆様とのお話は大変刺激的であり、同じ外語大生として目指すべき姿の数々でした。
改めまして、この度は東北復興写真展開催にあたり多大なるご協力をいただき、誠にありがとうございました。今後とも東外大の学生ならではの方法で被災地と向き合っていく所存ですので末永く見守っていただけますと幸いです。
今回の皆様方のご協力に対し、この場をお借りして深く御礼申し上げます。
東北復興写真展実行委員会
代表 田中大一
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